ウイスキーと語る

育てた作物でウイスキーを飲みたい。そんな願いから生まれたブログです。

セージとタイムの花

セージもタイムも同じシソ科ですが、花の雰囲気はぜんぜん違います。

下はセージの花です。

セージの花

セージの花

 

そしてタイムの花です。

タイムの花

タイムの花

 

セージ、タイムとも殺菌力の強いハーブで、ともに、かつてペストと戦った「四人の泥棒の酢」の一員です。セージは「ソーセージ」の香り付けや殺菌に使われ、タイムはエジプトのミイラの防腐剤として使われています。

 

【追記】5月18日

タイムの花のアップです。

タイムの花のアップ

 

ハーブの水挿し

2~3週間ほど前、何人かのFacebookの友人にハーブをプレゼントしました。水挿しで「発根しない」というコメントがあったので、正しい水挿しの仕方を説明します。

通常の苗づくりは、赤玉土などを使って挿し木で発根させますが、経費がかかるので、水挿しする農家もいます。水挿しの欠点は根が水しか吸ったことがないので、植え付け直後に晴天が続くと枯れてしまう可能性があります。もちろん水をやればいいだけの話です。

 

まず水に漬かる部分の葉を取り除きます。取った葉は瓶などに詰めて酢やサラダ油、塩などに漬けると、ハーブビネガーやハーブオイル、ハーブソルトなどを作ることができます。今回はハーブビネガーを作ります。オレガノローズマリー、メリッサを水挿しします。

水挿しとハーブビネガー作り

 

ハーブを数本ずつ何かで束ねます。今回は手近に針金があったのでそれを使いましたが、普通は紐で縛ります。水が腐敗するような有機物は使わないでください。

挿し穂

 

これを水に挿します。今回はビールの缶に挿しました。根は暗いほうに向かっていくので、透明のグラスなどよりは空き缶のほうがスムーズです。挿し穂がハーブの場合は水質はすぐには悪くなりませんが、失敗したくない人は3日に一度ぐらい水を換えてください。わたしは面倒なので一週間に一度のペースで換えます。

ハーブの水挿し

 

残った葉っぱは酢に漬けました。ときどきシャッフルすると1~2週間で四人の泥棒の酢に近いハーブビネガーが完成します。布マスクにスプレーするとペストを予防できます。新型コロナにも効くかもしれません。

ハーブビネガー

 

メリッサなどは一週間、ローズマリーで一か月ぐらいです。下はレッドキャベツを水挿しで発根させたものです。このくらいまで根が伸びたら雨を待って定植します。

キャベツの挿し芽

 

【追記】5月12日

一週間たったので水を換えました。まだ発根していません。ついでに庭石の上で30分ほど干しました。干す理由は殺菌と、発根を促すためです。

水挿しの挿し穂を干す

 

ところが干し時間が長かったのか、オレガノ(いちばん左)が萎れてしまいました。

ハーブの水挿し

 

1時間たっても戻らなかったので、茎を1mmだけ切り詰めて強制的に吸水させました。これで安心です。しかしオレガノがこんなに軟弱だとは、初めて知りました。

ハーブの水挿し

 

また様子を見ながら一週間後ぐらいに水を換えます。そのころには、レモンバームオレガノぐらいは発根するのではないかと思います。

 

ハーブビネガーのほうはそろそろ完成のようです。

ハーブビネガー

 

 

 

 

大根の花が咲きました

わたしは趣味で大根の無肥料栽培をしています。おいしいタクアンを作るためです。今年も大根の花が咲きました。左右の黄色い花はキャベツです。

大根の花

 

少しですが莢がつき始めています。すみません、ピントがずれました。

 

ほんの少ししかありませんが、初物を収穫してきました。

大根の莢

 

40秒茹でて梅マヨネーズでいただきます。焼酎のアテにちょうどいいです。塩漬けや糠漬けにしたり、味噌汁の具になります。大根の自家採種をしていてよかった思う食材です。

大根の莢

 

 

プラムの花が咲きました

プラムとは、ばら科の落葉高木で、日本ではスモモが普及しています。これは庭に植えた西洋スモモです。この写真ではよく分かりませんが、花が咲きました。

プラム

庭のプラム

白く清楚は花です。

プラムの花

プラムの花

プラムの花

 

花を見ていてふと思ったことですが、西洋プラムとアメリカンチェリーの交配品種「バイオチェリー」の苗が市販されています。交配できるなら接ぎ木もスムーズにいきそうです。

というのは、農業用水池の脇に自然生えのサクランボがあります。写真は去年の花です。その後ろに写っている、まだ裸の木がソメイヨシノです。

自然生えのサクランボの花

自然生えのサクランボの花

サクランボの花の拡大

サクランボの花の拡大

開花が早く、美しく、実も美味しいという才色兼備のような木で、季節になると町内の人が自由にサクランボを摘んで食べてます。桜の樹は、花の美しさで選抜するか、実の美味しさで選抜するかで、桜とサクランボに分かれます。どちらも優れた株は珍しいので、品種を保存したいと思っていました。ただ植えるスペースがないので、前述のプラムに接いでおこうかと、ふと思った次第です。

後日、やってみます。

 

【追記】5月12日サクランボを接いでみました

近所の人からサクランボを枝ごといただいたので、接いでみました。

プラムにサクランボを接ぐ

さて着くかどうか。

別記事で報告します。

https://studiotakeda.hatenablog.com/entry/2020/05/12/175850

枇杷の葉の薬効

最先端の医学、薬学は専門家に任せるとして、武漢ウイルスが他のウイルスと同じような弱点を持っているなら、自然治癒力を活かす薬草が役に立つかもしれません。日本に自生するもっとも薬効成分の強い植物は、おそらく枇杷だと思います。


古来、診療所には必ずと言っていいほど植えられていました。実生では実を食べられるまでに8年以上かかる気の長い果樹ですが、重宝されたのは葉のほうです。代表的な使われ方は湿布や薬草茶です。

葉に含まれるアミグダリンは、正常な細胞には無害でも、ガン細胞だけは破壊する青酸(本来なら猛毒)です。フンザ(パキスタン北西部)では、癌になる人がほとんどいないことに疑問を抱いた米の生化学者アーネスト・クレブスは、フンザの人々が杏を常食していることを知り、杏から抽出したアミグダリンを癌の治療に用いて大きな成果を得ました。

これは1950年の話です。日本人が枇杷を本格的な治療に使い始めたのは江戸時代です。仏教医学としてはその千年以上前から伝わっています。さらに三千年前の釈迦の経典「大般涅槃経」に枇杷の薬効が書かれています。わたしが『枇杷の樹が欲しい』と思ったのはこれを知ってからです。

支那が民の時代の薬学書「本草網目」に興味深い記述があります。枇杷の効能として「肺熱を排降して化痰止咳し、胃熱を清降して止嘔し、煩喝を除く静粛肺胃の薬物」と。まるで武漢ウイルスには枇杷が効くと書いてあるかのようです。

枇杷の葉の使い方はシンプルです。湿布と同じように痛いところに貼ります。わたしは腰が痛いときに貼ります。これで腰や、腰から来る脚の痺れなどは消えます。ただしロキソニンでも同じように消えますし、どっちもまたしばらくすると再発します。膝が痛い人は膝に貼って包帯やサポーター、絆創膏などで固定します。万能薬なので水虫にも効きます。その場合は靴の中敷きにするそうです。武漢ウイルス予防には、医学的な根拠なしで書いていますが、煎じて飲む(枇杷葉湯)といった使い方になりそうです。

あと2か月もすれば実の収穫が始まります。食べたあとの種を蒔くとほぼ100%発芽します。実生の枇杷は実が小さくなりますが、葉は逆に立派です。うちの枇杷は実生なので葉が立派です。本来の収穫物は葉です。薬として使うのは一年以上前の古くて色の濃い葉になります。

枇杷はプランタでも育てられます。ぜひ種子をゲットして枇杷のオーナーになってください。常緑樹なので冬でも病気になったらすぐに使えます。葉は陰干しして長期保存することもできます。実のほうは、やったことはありませんが、ドライフルーツやジャムにして長期保存できるそうです。薬効についての論文は残念ながら見つけることができませんでした。

枇杷

 

四人の泥棒の酢

WHOによると、『布マスクには新型コロナを予防する効果がほとんどない』ということですが、それで思い出したのが「四人の泥棒の酢」です。わたしが庭にハーブを植えるきっかけになった話です。何かの参考になればと思って書きます。

人類最大の敵とも言われたペストは、14世紀の大流行で45,000人が亡くなったと推計されています。人獣共通感染症でネズミを媒介することもあり、ヒトーヒトの飛沫感染もします。治療しなかった場合、致死率は60~90%。治療しても30~60%です。当時は治療薬がなく、医療用のマスクも、防御服もない時代です。そこで暗躍したのが「魔女」です。ウィッチの語源は「賢い女性」で、今でいう薬剤師です。魔女が乗っているのはホウキではなく、ハーブの束です。魔女たちは豊富な薬草の知識を武器に患者の治療にあたりました。

しかし人々は疑念を抱きました。なぜ魔女たちはペストに感染しないのか。

おそらく、その答えが分かったのは17世紀はじめ、南フランスでペストが大流行したときです。ペストで死んだ人の家に盗みに入る四人組が現れました。盗みは悪いことですが、そんなことをすれば感染してしまいそうなものなのに、彼らは感染しません。結局は捕らえられ、彼らの防御術が公開されることになりました。泥棒らはハーブを漬けた酢を体中に塗りつけていたのです。

具体的にはローズマリー、セージ、タイム、ラベンダーを一週間ほどワインビネガーに漬け込んでエキスを抽出した酢です。もともとハーブは伝染病に効くと信じられていました。現在では科学的にも証明されています。ウイルスは酢の中では数十分しか生きられず、ハーブには瞬殺されてしまいます。この酢は『四人の泥棒の酢』の名で大量生産され、南仏はペストの封じ込めに成功しました。それ以後も大流行はなく、19世紀末には北里柴三郎によって原因菌がつきとめられて、人類はペストに勝利しました。

わたしは数年前にこの話を知って、ローズマリー、セージ、タイム、オレガノ、ペパーミントなどのハーブを植えました。今は株が大きくなっています。虫除け効果も強く、たまにしか着ない礼服のポケットに入れておくと虫に喰われません。欧州の家には網戸がないため、窓辺に鉢植えのハーブを置いたり、吊りしたりするようです。畑にハーブがあると虫が少なくなります。

四人の泥棒の酢を布製マスクにスプレーすれば、新型コロナは体内に侵入できない可能性が高いと思います。布マスクにハーブポケットを作って、ドライハーブを仕込んでおけば、呼吸の度に口に爽やかな香りが広がりそうです。当時のペスト医師は香料のフィルターを通して呼吸をしていたといいます。

その後四人の泥棒は、この酢のレシピと引き換えに無罪放免となりました。

写真はセージとローズマリーの花です。

セージの花

ローズマリー

 

花山椒

山椒は、わたしの感覚では植えるものではなく、授かるものです。木の寿命は15~30年ぐらいだと思います。昨年、30年ほど前からあった山椒が枯れましたが、この山椒は4年ほど前に鳥の落として行った糞から発芽し、うまくバトンタッチしてくれました。

ひとつ問題なのは、山椒は雌雄異株です。以前の山椒は雌株でしたが、今のは雄株で実が収穫できません。そのかわり花山椒が楽しめます。ミカンを連想させる不思議な香りがします。

 

サンショウ

花山椒